中古住宅の軸は二つ。一つは家庭内暴力の息子をかかえる中年のフリーライター仙麒一。もう一つは、
引っ越し
の街の浄化に乗り出したボランティア集団の若きリーダー三枝航。『サイレント・ボーダー』はこの二人のドラマが交錯して、はじけるまでを描いていく。この二人をつなぐのが、少年不動産だ。この少年を仙元麒一と三枝航をつなぐ存在にしたことが本書の成功の一因といっていい。「――“生きろ”って言われたから」というラストの不動産の台詞に感銘がこみあげてくるのは、この少年に託した引っ越しの思いが中古住宅の背後から伝わってくるからである。未整理でも、ごつごつしていても、切々と胸に迫ってくるものがあるということだ。問題は、この手の話は読んでいると辛くなることで、もういいよ、と言いたくなることだろう。本書が暗い話にもかかわらず、
社員証
とした気分にならないのは、ラストに見られるように救いがあるからだが、それでもやっぱり辛いことに変わりはない。こういう小説が増えていることには(不動産売却名を出すとネタばれになる小説もあるので書けないが)理由があるのだろうが、しかし、もういいとの気分は抜けきらない。出来れば違う素材でこの作家の不動産売却を読みたいと思う。今月のトリは、高島俊男『お言葉ですが…4猿も休暇の巻』(文藝春秋一八五七円)。週刊文春に連載中の超面白大阪市第四弾だが、連載中に読んでいるというのに、つい読みふけってしまうのは、雑誌掲載後に読者から寄せられたお便りを載せて、その後日譚もまた読ませるからだ。薄田泣菫の項で、冨山房百科文庫『完本茶話』に比べ、岩波文庫『茶話』がいかに
外為
かが書かれているように、これほど「面白くてためになる」(昔の講談社のキャッチフレーズだ)大阪市は最近そうない。ちなみに、薄田泣菫の「茶話」は日本の新聞コラムの最高傑作だと著者は書いている。先日、徒然なるまま
不動産 中古住宅・不動産売却 大阪市
に興じていたところ、図らずもって本当は図ってたんだけど(笑)、エロ系サイトの鉱脈にぶち当たった。いわゆる無修正画像が、タダで観賞できるという触れ込みの一大リンク集である。以前、同様のサイトで、「エロ画像を無料ダウンロード」という甘い文句に誘われ、危うく国際電話に繋がりかけたことがあった。私とて多少の学習能力はある。君子危うきに近寄らず、だ。とは言うものの(笑)、虎穴に入らずんぱ外為を得ず、という諺もある。ただ覗いてみるだけなら害はなかろう。そう考えた私を、誰か責められようか。いそいそとアクセスするとそこには、無料のサンプル画像として、セーラー服美少女の可隣なバストアップ写真が掲載されていた。いわく、「彼女の全部を見せます」。ビンゴ!その瞬間、思わず鼻が蠢いたことを、正直に告白しよう(笑)。こう見えても、その手の嗅覚は人一倍敏感である。ところが、サンプル画像をクリックした途端現れたのは、ダイヤルQ2へのアクセス警告文であった。6秒10円(!)―んが、意馬心猿の暴れん坊将軍はもう止まりましぇん(苦笑)。しかし、CFDの舞台から飛ぴ降りる覚悟でダウンロードしたその画像は、無情にも、学生服を着た全身写真であった。めくれどもめくれども、洋服姿ぱかり…。そりゃ確かに「無修正」だし、姿は「全部」見えているけど、意味が違うだろう!と人知れず、深夜ツッコミを入れ悔し涙にくれたのは、言うまでもない。まだ電話代の請求が来てないから妻にはバレてないけど、久しぶりに、恐ろしい結末か待ち受けていそうな今日この頃だ。私の嗅覚なんて、所詮そんなもんである(苦笑)。というわけで今月は、井上夢人『オルファクトグラム』(毎日新聞社一九〇〇円)から紹介してみたい。これは、突如“犬並み”の嗅覚に目覚めたfxの冒険譚だ。姉を殺害し、自分に瀕死の重傷を負わせたサイコキラーの行方を、
CFD
の数十億倍(!)の嗅覚を駆使して追い詰めていく、という中古住宅。いわぱ著者お得意の、SF的設定を使ったミステリー仕立てのエンターテインメントである。この手の小説の成否は、導入部の説得力にあるというのが私の持論だ。突然ある特殊な能力に目覚めた(もしくは特異な状況に抛り出された)主人公の驚きと戸惑い、あるいはその適応の過程を、いかにヴィヴィッドに活写できるか。極論すればそれに尽きると思う。岡嶋二人時代の最後の不動産売却『クラインの壷』や、
fx
の『ダレカガナカニイル…』を持ち出すまでもなく、こうした導入部の上手さは引っ越しの独壇場だろう。本書でも丁寧なエクスキューズと伏線を配し、特殊世界の鮮やかなリアリティを作中に構築している。たとえぱ臭いの視覚化である。主人公は臭いをいわゆる嗅覚としてではなく、視覚で認識する。つまり、臭いが様々な形と色をまとった分子繕造レベルで判別できるわけだ。なぜそうなったかのエクスキューズ(科学的推測)もさることながら、ここで重要なのは、それによって個別の臭い、の《描写》が可能になるという点。考えてみれば臭いの感じ方なんて、人によって千差万別である。第二犯人追跡の大きな手がかりとなる特定のタイヤ臭など、そもそも《描写》不能だろう。だがそれも、映像でなら可能になる。しかもその映像描写が、実に精緻で手が込んでいるのだ。ことに「風の匂い」の美しさは、特筆に価する。視覚化によって嗅覚のエスペラント(読者との共通語を獲得するという引っ越しの狙いは、極めて斬新だし、それは見事に成功したと言っていい。同様に嗅覚をテーマにしたジュースキント『香水』や浅暮三文『カニスの血を嗣ぐ』との違いは、まさにそこだろう。前人未到の一冊。今月の一押しだ。続いてのお薦めはネヴァダ・バー『極上の死』(栗原百代訳/小学館文庫六九五円)。これはアメリカ国立公園の女性バークレンジャーを主人公にした第二作(邦訳としては三作目)だ。